ナツのツボミ日記

女子高写真部の日常を描いた伝説の学園ドラマ『ナツのツボミ』(2000年NTV)の思い出サイト付属ブログ

雨の塔(小説)

宮木あや子の小説。まさに、その世界観が「ナツのツボミ」にそっくりで、ナツのツボミファンには絶対オススメです。

例によって舞台は、全寮制の女子高。矢咲、三島、都岡、リルファンの4人の女の子が主人公で、それぞれ2人ずつのペアとなります。

ナツのツボミでは第4話のタカコのナレーション「私たちは、学校に閉じ込められる」が印象的。これ、実際に閉じ込められてるわけではもちろんなくて、ようするに観念的なもの。タカコたちは毎日自宅から電車で通学しているわけで、単に登校中に自由なカップルを目にしてのボヤキです。

対して、雨の塔の学校は、隔絶された地にあり、ワケありの家庭から送り込まれた少女たちは、自分の意志で出られない環境にある点、文字通り「閉じ込められている」わけです(この環境は恩田陸の『麦の海に沈む果実』の学校に近い気もしますが、女子校と共学が異なります)。

また、ナツのツボミ最終話で、タカコが「海、行こ」と3人を誘います。これは、雨の塔での終盤、リルファンが矢咲を「これから海に行こう」と誘うシーンと重なるわけですが、その後の展開・結末も、ナツのツボミと似たようなものとなったりします。

「4人の少女」「海の近くの学校」といった設定はもちろん、ストーリの展開、結末まで、雰囲気的にナツのツボミと似ていますので、こういった雰囲気のドラマが好きな人はいかがでしょうか。