ナツのツボミ日記

女子高写真部の日常を描いた伝説の学園ドラマ『ナツのツボミ』(2000年NTV)の思い出サイト付属ブログ

雨の塔(小説)

宮木あや子の小説。まさに、その世界観が「ナツのツボミ」にそっくりで、ナツのツボミファンには絶対オススメです。

例によって舞台は、全寮制の女子高。矢咲、三島、都岡、リルファンの4人の女の子が主人公で、それぞれ2人ずつのペアとなります。

ナツのツボミでは第4話のタカコのナレーション「私たちは、学校に閉じ込められる」が印象的。これ、実際に閉じ込められてるわけではもちろんなくて、ようするに観念的なもの。タカコたちは毎日自宅から電車で通学しているわけで、単に登校中に自由なカップルを目にしてのボヤキです。

対して、雨の塔の学校は、隔絶された地にあり、ワケありの家庭から送り込まれた少女たちは、自分の意志で出られない環境にある点、文字通り「閉じ込められている」わけです(この環境は恩田陸の『麦の海に沈む果実』の学校に近い気もしますが、女子校と共学が異なります)。

また、ナツのツボミ最終話で、タカコが「海、行こ」と3人を誘います。これは、雨の塔での終盤、リルファンが矢咲を「これから海に行こう」と誘うシーンと重なるわけですが、その後の展開・結末も、ナツのツボミと似たようなものとなったりします。

「4人の少女」「海の近くの学校」といった設定はもちろん、ストーリの展開、結末まで、雰囲気的にナツのツボミと似ていますので、こういった雰囲気のドラマが好きな人はいかがでしょうか。

放課後。(TVドラマ)

『放課後。』とは、2004年に放送されたフジテレビの深夜ドラマ。堀北真希、戸田恵梨香、徳永えり、仲村瑠璃亜の4人がメーン。例によって、女子高の部活での友情のお話であり、まさに「ナツノツボミ」的雰囲気。さっそく、どんなところが共通しているのか、比較してみます。

共通1:登場人物
どっちも女の子4人がメーンってとこ。しかも、その4人の役割分担というか性格までほぼ一緒。「控えめの主人公」、「ポニーテールのスポーツ少女」、「おしゃべりなムードメーカー」、「冷静でまじめな理論派」。もちろん4人とも美少女。
共通2:舞台・雰囲気
タイトルどおり「放課後。」も「ナツのツボミ」も部活の様子を描いたドラマということで、当然にその時間帯は放課後。両方とも、恋愛に勉強に悩むフツーの女子高生の何気ない日常ネタ。深夜ドラマ専門家のO氏曰く『ありえそうで、でも、たぶん今時ないだろうって感じ』。
共通3:シューマンvsドビュッシー
それぞれメーンとなる挿入曲がクラシックのピアノ曲であるという点も共通。「放課後。」はドビュッシーの「月の光」。ナツのツボミはシューマン「トロイメライ」。とにかく、ドラマの雰囲気にピッタリの美しく幻想的な曲が、「ここっ!」って場面に、完璧なタイミングで入ってきます。

静物画(小説)

『静物画』とは、柳美里の小説(戯曲)。角川文庫『魚の祭り』に収録。なんとも言えない、切なくなるような、女子高の部活での友情のお話であり、まさに「ナツノツボミ」的雰囲気。さっそく、どんなところが共通しているのか、比較してみます。

比較1:舞台
舞台はどちらもミッション系の女子高。で、部活の様子がメーンになってるとこまで同じ。静物画は「文芸部」、ツボミは「写真部」と、部こそ違いますが「マイナーな部」で、かつ「少人数」と、共通点多し。
比較2:登場人物
メーンの登場人物は、静物画が5人、ツボミが4人。それぞれの子の持つ役割というんでしょうか、そういったものが似てる感じ。マイペースでちょっとみんなと距離を置いてる、でもみんなから人気ある主役がいて、まじめな部長がいて、騒がしい・ムードメーカー的な子がいて、ちょっと大人ぶってる子がいて・・・。あ~、やっぱりほぼ共通ですよ。
比較3:雰囲気
どちらも、なんか神秘的な雰囲気。それでいて、梅雨時のうっとうしいような、だるいような、重苦しいような、切なくなるような、一種独特の雰囲気を持ってますよね。
比較4:シーン
シーンも共通のものがけっこう。代表的なものを幾つか挙げてみます。「音楽室から楽器の音色が聴こえて来るシーン」。静物画では「バイオリン」、ツボミでは「チェロ」。国仲涼子がチェロを弾く姿が印象的でした。そして、静物画では魚子と冬美が、ツボミではユキ(橋本真実)とユカコ(田中美保)が「キス」するシーン。なんか、きっかけまでおんなじ感じ。「する」までの、自然な・何気なさがいいですね。
比較5:怪談ネタ
もう1つ挙げるとすると「怪談話シーン」。静物画では、魚子は自分で見た幽霊を、また各人が知ってる学校の噂を語ります。ツボミではタカコが、転校前の学校にあった怪談話を独演。ここのシーン、福井裕佳梨が真剣に長いセリフ延々と語るところ、見所です。もう、可愛いです。
比較6:同性への憧れ
ソノコがエリ先輩へ。密かに憧れる先輩の写真を隠し撮りし、しっかり写真立てに入れ、手紙まで付けてプレゼント(#5)。一方『静物画』では、冬美が魚子へ当てたラブレターが出色。美しい言葉でその想いがつづられています。それを冬美自ら音読するシーン、ここがイチバンの山場ではないでしょうか。私も大好きなシーンです。
比較7:自殺と遺書の不存在
どちらも校内で自殺した女生徒(の噂)が登場。ツボミでは「タカコの語る怪談のシーン」にて話題に上る地下室で首を吊った少女。静物画では校庭の木で首を吊った少女。そして、両方とも「遺書がなかった」点まで同じ。
比較8:結末(ネタバレ)
そして共通は結末まで。どちらも、「主人公が突然いなくなる」というもの。残されたものたちの悲しみ・喪失感。もちろん読んでる者・見てる者にとっても。まあ、ツボミの方は「手紙だけでのお別れ」というのは寂しすぎる感もありますが、「夢だった留学」ということで、応援も出来ましょう。対して、静物画の方はちょっと言葉にしづらいですね。あっ、でももちろん嫌いじゃないですよ。
まとめ
ということで、どうでしょうか。まあ、テーマが「死(静物画)」か「二度と戻れない時間・想い出(ツボミ)」と、ちょっと異なりますが。とにかく、どっちか片方だけ知ってる人は、是非もう1つの方も読んで(もしくは見て)みてはいかがでしょうか。